光り物のなかでも独特の魅力があるネオンサイン、最近はおしゃれなカフェなんかでもよく見かけますね。
今回は、Aliexpressで見つけた安いELワイヤーを使って、ネオン風のサインを作ってみたので、その作り方を紹介しようと思います。
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ちなみに安いELワイヤーがどれくらい安いかって言うと、単3電池用のインバーターも付属して1m約180円、5mなら約330円、やっす! 色の種類も豊富でいいですね。
船便なので長いと1か月くらいかかりますが、値段が値段なのでとりあえず全色注文しておいて、忘れた頃にドサッと届くなんてのもなかなか楽しいです。
ネオン管とELワイヤーについて
ネオン管とは
ネオンは10番目の元素で、「水兵リーベ僕の船」の”Ne”ですね。
常温では気体の状態で、1000Vくらいの高電圧をかけると発光する性質があり、これをガラス管に閉じ込めたものがネオン管です。
ネオンだけなら赤色の光、アルゴンなんかの混ぜ物をすることで様々な色が出せるそうです。
本物のネオンサインは、ガラス管を巧みに曲げてガスを封入する職人芸なので、オーダーで作ってもらうと、それなりのお値段はします。
でも、やっぱり本物には本物の魅力があるので、一度は注文してみたいものです。
ELワイヤーとは
ELは”エレクトロルミネッセンス(電界発光)”の略で、おおざっぱに言うと、半導体などの材料に電圧をかけると光を放つ現象のことです。
そしてELワイヤーというのは、この材料を紐状にして、電極を取付けた照明器具のことです。
耐久性や寿命や光の強さではネオン管には全く及ばないけれど、加工が簡単で値段も安いし、乾電池でも点灯できるので、とてもお手軽で面白い素材です。
というわけで、今回作るのはネオン"風"サインです。
用意するもの
材料
- 好きな色のELワイヤー
- 少し余裕をを見込んだ長さを用意しましょう、余ったぶんは切れますが、足りない場合に継ぎ足すのは大変です。
- 急ぎの場合は、ちょっと値段は上がるけどAmazonとかでも買えます↓
- 2mm厚くらいの板(アクリルなど)
- ホームセンターで買えると思います
- 黒色3Φの熱収縮チューブ
- 瞬間接着剤
- 100均のでOK、ゼリータイプは白化(接着した周りが白く汚れる)しやすいので、液状タイプが良いです。
道具
- 板に3Φの穴を空ける道具
- 3mmのドリルなど。CO2レーザー加工機が使えるとベター
- ハサミ
- ELワイヤーのあまりと、熱収縮チューブをカットするのに使います
- ライター
- 熱収縮チューブの収縮用です
- 扇風機
- 白化現象でアクリル板が汚れるのを防ぎます
作りかた
デザインを決めよう
まずは図案を用意しましょう。 線画で、なるべくごちゃごちゃしていないものが作りやすいです。
今回は、このブログのマスコットキャラクター”創作意欲と物欲にまみれた猿”を作ってみます。
ワイヤー を通すパスを考えよう
次に、ELワイヤーの取り回しを考えます。
刺繍の要領で、見せる線は表を通し、見せない線は穴を開けて裏側に通します。
鋭角に曲げたいときは、頂点でいったん裏に回してから方向転換すると、きれいに収まるでしょう。
あとは本物のネオンサインを参考にしながら、それっぽさを出していきましょう。
ところどころ隙間を空けていくと、ネオンサインっぽさが増すと思います。
板に穴をあけよう
準備が整ったら、表裏の切り返しのところに穴をあけていきます。
アクリル板にドリルを使う場合は、割れやすいので、様子を見ながらゆっくりやりましょう。
僕はCO2レーザーを使いました。レーザーを使う場合は、ついでに下絵も刻印しておくと後の工程が楽です。
ドリルで穴をあけた場合も、目立たない色の油性ペンで下絵を書き写しておくと良いと思います。
組み立ては丁寧に
ワイヤーを穴に通しつつ、デザイン通りに固定していきます。
完成度の9割がこの工程で決まるので、丁寧に作業しましょう。
短めの直線なら張力だけで固定できると思いますが、曲線や長めの線の場合は、瞬間接着剤で接着していきましょう。
このような瞬間接着剤用の細ノズルを使うと、作業しやすいと思います。
瞬間接着剤は、硬化するときに揮発した成分が周りを白く汚すことがあります。とくに透明なアクリル板を使う場合は、汚れると目立って悲くなります。
風を当てながら作業することで防げるので、扇風機をガンガン回しながら作業しましょう。
それか、予算に余裕があれば、紫外線硬化タイプの接着剤↓を使うと、作業性・仕上がりがかなり向上します。
あと、ワイヤーの向きによって、中の電極が影になって少し暗くなる箇所ができてしまうので、時々点灯して綺麗に光るか確認しながら進めましょう。
接着剤が完全に硬化するまでは、所々マスキングテープなどでとめながら作業すると安心です。
裏に隠す部分は、熱収縮チューブでカバーしていきます。
あとは適宜、おさまりの良いように仕上げましょう。僕はM4のボルト・ナットとスペーサーを使って、サンドイッチ構造にしてみました。
完成!
さあ、なるべく暗めの場所を探して、電源を入れてみましょう。
見ての通り、めちゃくちゃフォトジェニックなので、いろんな暗いところに置いて、ひたすら写真を撮ってるだけで楽しいです。
インバーターがうるさい時は
インバーターのコイル鳴き(ピーって音)が少し気になるので、静かな場所で使いたい場合、何か工夫が必要です。
ホットボンドで覆った程度だと、まだけっこう漏れ聞こえできます。 高い音は主に空気を伝って伝搬するので、箱に入れて密閉したりすると良いかもしれません。
はい、今日はここまで。