今回は、タイトルの通りELネオンサインの作りかた関係の小ネタです。
この作りかた記事を書いてから、ELネオンサインをつくるワークショップを開催する機会が何度かありました。
その都度、接着剤は適当なものを仕入れていたんですが、銘柄によってうまく接着できるものと、そうでないものがあることに気が付きました。
残念ながら、毎回どの銘柄を使ったかを記録していなかったので、一度まとめて検証してみようというのが本実験の趣旨です。
とりあえず、ELネオンサインづくりにおすすめの瞬間接着剤銘柄を知りたい場合は、目次から「結論」に飛んでみてください。
仮説をたてる
湯川学先生は言いました、科学の基本は仮説と検証であると。
瞬間接着剤の取扱説明書を読むと、そもそも軟質ビニルもアクリルも非対応となっているので、接着できないのが当たり前です。
銘柄によっては、非対応だけどたまたま少しくっつく(力のかからない用途なら使える程度)ものがあるというわけ。なので、この実験の結果は、各銘柄本来の性能とは関係ありません。
まずは、銘柄ごとに何か違いがないかと色々見比べてみた結果、シアノアクリレート100%のものと、数%の合成樹脂が含まれるものがあることがわかりました。
この数%の合成樹脂が影響しているものと考えて、ふたつの仮説を立てました。
- 仮説1
- シアノアクリレートでは接着できない、添加される合成樹脂の種類によっては運良く接着できる時がある。
- 仮説2
- 合成樹脂によって初期の保持力が強くなる、しばらく待ってしっかり硬化すれば、どの銘柄でも同じように固定される。
検証方法
次のように、貼り付け直後と時間経過後の接着力を見てみることにしました。
- 実験1
- 貼り付けたら5秒押さえて、すぐに剥がす。
- 実験2
- 貼り付けたらマスキングテープで補強して、10分ほど待ってから剥がす。
評価方法は、剥がれやすさを3段階で評価します。
- ○:剥がすのに力がいる
- △:簡単に剥がれる
- ×:ほとんどくっつかない
実験!
100円ショップをハシゴして、9種類の瞬間接着剤を買ってきました。
- LOCTITE 液状
- モリトク 多用途
- セリア 超速乾
- ダイソー 多用途
- ダイソー 超速乾
- ダイソー ゼリー
- セメダイン3000 耐衝撃
- セメダイン3000 超速乾
短く切ったELワイヤーを、グリッドに区切ったアクリル板にはりつけては剥がし、結果を記録していきます。
実験結果
で、実験の結果がこちら。
予想に反して、合成樹脂を含むタイプは惨敗でした。唯一ロックタイトは悪くなかったので、合成樹脂のレシピにもよるようです。
対してシアノアクリレート100%のタイプが好成績でした。
結論を出すには少しサンプル数が少ない気はしますが、別メーカーの2銘柄で良い結果が出ているので、そこそこ信用してもらって大丈夫だと思います。
ついでにグリッドがあまったので、紫外線硬化タイプ接着剤のBONDICも試してみました。
BONDICも軟質ビニル、アクリル非対応となっている上、ツルツルした表面が不得意ということもあって、ELネオンサインづくりにはオススメできない結果でした。※推奨用途で使う分には素晴らしい製品です
結論
以上の実験から、ELネオンサインづくりにおすすめの瞬間接着剤は、シアノアクリレート100%のタイプです。実験に使った銘柄の中では次の2つがそれに当たります。
- モリトク 多用途
- セリア 超速乾
これから作る方はぜひ参考にしてみてください。
今回は(も?)かなりニッチな話題でしたが、お付き合いありがとうございました、では。