証券所のティッカーみたいな細長い電光掲示板を作る話—MAX7219モジュールとRaspberry Pi Pico (rp2040)とMicrPython

わけあって、証券所のティッカーみたいな、細長い電光掲示板が必要になりました。

既製品も色々ありますが、今回の用途にはややリッチすぎるので、自作することにしました。

続きを読む

書籍「M5Atomで作る歩行ロボット」より6軸二足歩行ロボットのビルドログ—UIFlowでロボを歩かせたい—

今年の夏休みに、お台場の科学未来館の特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」を見てきました。

www.miraikan.jst.go.jp

僕はこういうのにけっこう影響されやすいタイプなので、完全にロボットにかぶれて、日々高まるロボット作りたい欲。

じつは、テック系ネタを色々かじっているわりに、ロボット系はタミヤのキットくらいしか作ったことがなかったので、もう少し手応えのあるのをやってみたくなりました。

とはいえ、イチから設計するとなると他の積みプロジェクトがもっと進まなくなるので、キットを中心に探していたんですが、なにやらぴったりな本を見つけました。

著者のロボタカオさんは、なるべくローコストでロボットを作るというコンセプトで活動されていて、そのローコストロボの製作ノウハウが、材料加工から制御系までギュッと濃縮されたスゴい本です。

200ページ程度のボリュームなので、この本だけでロボット製作の全てがわかるとまでは言えませんが、最初の足掛かりにはぴったりです。

今回はこの本の第4章より、表紙にもなっている「6軸二足歩行ロボット」を組み立てたので、ビルドログを残します。

ひととおりの作り方は書籍の方で丁寧に解説されているので、本の内容とは変えたところを記録しました。

続きを読む

"スマートな” TVリモコンを作りたい話 構想編—Raspberry Pi Picoでシンプルな学習リモコンを作りたい—

今日は家電3大ストレスのひとつ、テレビリモコンのボタン多すぎ問題をどうにかしたいという話です。

そう、テレビリモコンのボタンって多すぎやしませんか?

そう思って手元のを数えてみると、ボタンが64個も付いています。

このなかで、日常的に使うボタンがいくつあるかっていうと、僕がテレビあまり観ない派ってのもありますが、チャンネル±、音量±の4つだけ。

あとは買ってから一度も使わないボタンと、初期設定にしか使わないボタンがほとんどで、日常使いではもうただのノイズです。

そんなわけで、この日常の片隅の小さなストレス源をやっつけてやろうというのが今回の趣旨です。

続きを読む

iPhone LiDARのリアルタイムプレビュー用外付け液晶としてAndroidタブレットを使おうとした話—PoC編—

近ごろ、iPhone単体で3DスキャンができるiPhone LiDAR界隈が盛り上がってますね、とくに土木、建築、考古学界隈などで活用事例が多いようです。

スマホのおまけ的機能なので、精度とパワーは簡易的なものですが、個人で買える手のひらサイズの端末で、3Dスキャンから事後のデータ処理からWebへのアップロードまでできるのってすごいですよね?

iPhone LiDARについては、この記事や

ken-it.world

この記事が参考になります。

note.com

たとえば、長い棒の先に付ければドローンLiDARごっこもできますが、どこが撮れているかその場でプレビューできないというのが難点です。

そこで、ひとつ使えそうな案を思いついたので、概念実証(Proof of Concept)をやってみました。

続きを読む

ロジクールのマウス「MX Anywhere 3」のスイッチを静音化した話

さて、しばらく前に、ロジクールのちょっと良いマウス「MX Anywhere 3」のスイッチを静音化しました。

その手順(ってほどでもないけれど)をTwitterに書き散らかしていて、後で見返そうと思ったら探すのが難儀だったので、また必要になった時のためにメモとしてまとめておきます。

twitter.com

続きを読む

BRIDダクトレールファンのカラバリを勝手につくる話—欲しい色がないなら塗ればいいか—

はじめに

最近、BRIDのダクトレールファンというものを購入しました。名前のとおり、ライティングレールにつけるタイプの空調ファンで、ワンタッチで簡単にシーリングファンを導入することができるスグレモノです。

カラー展開は白と黒と木目調、うちは天井がコンクリートなので、グレー系が欲しいなぁ...。

欲しい色がなければどうするか? 塗るしかないですね。ということで、塗装しやすそうな白を買ってみました。

とりあえず、まずはそのまま取り付けてみるとこんな様子。

f:id:at_you_key:20220123201436j:plain

あ、これでも全然悪くないかも、悪くはないけど、やっぱり色を変えたい。

続きを読む

KMK FirmwareでJP配列のキーマップを作る—Windows日本語環境で自作キーボードを簡単に使うための小ネタ—

2021年も残すところあと3日、昨年の今頃何やってたかなと振り返ってみたところ、100円のLEDランタンに1/fゆらぎ化改造を施していました。

www.creativity-ape.com

このギミックは自分的になかなか気に入っているので、"Lチカ"ならぬ"Lユラ"関係も今後もう少し掘り下げてみたいです。

こうやって自分の行いを振り返れるのは、ブログを続けるメリットの一つだなと思います。

f:id:at_you_key:20211228172032j:plain

さて、自作キーボードのファームウェアは、大抵USキーボードのキーコードを出すようになっていて、日本語環境で使おうとした時、たとえば"["を設定したはずが"@"になったりしてしまいます。

QMK Firmwareの場合は対策方法があるんですが、僕はQMKのビルド環境立ち上げに挫折したので、この記事のように力技で対応しました...。

www.creativity-ape.com

今日は、「自作キーボード日本語配列で使いたい問題」の別解をご紹介します。

続きを読む

今年追いかけているテック系アドベントカレンダーの話と、自キアドカレに参加した話

さて、今年もアドベントカレンダーの季節がやってきましたね。

アドベントカレンダー(以降アドカレ)といえば、12月に毎日クリスマスを心待ちにしながら、日付の書かれた小窓を開けてカウントダウンを楽しむカレンダーです。

ja.m.wikipedia.org

エンジニア界隈ではこれになぞらえて、特定のテーマに沿って、持ち回りでブログ記事を公開する企画が行われています。

1テーマごとに25記事集まるので、マニアックな特集を組んだ雑誌がズラッと並ぶような面白さがあります。

今日は、僕がチェックしているテック系アドカレと、今年参加した自キアドカレについて紹介します。

f:id:at_you_key:20211210201909j:plain

続きを読む

ELワイヤーでつくる自作ネオン風サインに適した接着剤の選び方—瞬間接着剤9種類買って実験—

今回は、タイトルの通りELネオンサインの作りかた関係の小ネタです。

www.creativity-ape.com

この作りかた記事を書いてから、ELネオンサインをつくるワークショップを開催する機会が何度かありました。

その都度、接着剤は適当なものを仕入れていたんですが、銘柄によってうまく接着できるものと、そうでないものがあることに気が付きました。

残念ながら、毎回どの銘柄を使ったかを記録していなかったので、一度まとめて検証してみようというのが本実験の趣旨です。

とりあえず、ELネオンサインづくりにおすすめの瞬間接着剤銘柄を知りたい場合は、目次から「結論」に飛んでみてください。

続きを読む

30%キーボードPiPi Gherkinにキー4つとLEDを増設する話—これもまたひとつのエンドゲーム—

序論

「人類には早すぎるキーボード」とも称される30%キーボード「Gherkin」

フルキーボードの約100キーに対し、30キーしかないという、初見では俺にゃ無理だよ!と言いたくなるようなキーボードですが、そのピーキーさゆえ、一度気になり始めるとその存在が頭から離れなくなるような魅力があります。

scrapbox.io

かくいう僕も、「最近話題のマイコンボードRaspberry Pi Picoで作れるGherkinがあるらしい」「Talp KeyboardさんがPCBの取り扱いをはじめたらしい」と知って、まぁキー数も少ないしなと、ほんのお試しの、軽い気持ちで「PiPi Gherkin」に手を出してしまったのでした。

www.creativity-ape.com

Gherkinはとにかくキーが少ないので、キーマッピングに異常な工夫が求められます。とくに、モディファイヤキーなんか、アルファベットキーと兼用しなければどうにもなりません。

逆に言えば、文字キーにModの振る舞いをさせるという、一見邪道とも思えるテクニックへの心理的制約を取り払い、キーマップの暗黒面へと通ずる道を示してくれるキーボードといえます。

さて、PiPiGherkinの面白さのひとつが、GPIOが余りまくっているというところです。

Raspberry Pi Picoは比較的ピン数のリッチなマイコンボードで、GPIOを26ピンも使うことができますが、PiPi Gherkinはそのうち11ピンしか使わないので、15本の空きピンが拡張してとばかりに口をあけています。

となると、当然なにかしら増設したくなってきちゃいますよね、それでタイトルへと繋がるわけです。

続きを読む