1,400円の「6N3真空管プリアンプキット」を組み立てた話—後編 ケースをつくる—

前編はこちら

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追加の部品を揃えて、端材の上に仮組みしたのが去年の8月頃でした。あれから半年越しで、ようやく後編、ケースを作った話をまとめます。

方針とか

土台にワンバイフォーの木端を使って、その上に部品とカバーをネジ留めしていく構造で、カバーの上面には穴を空けて、真空管が見えるように露出する形にしようと思います。

キットのボリュームは基板取り付けタイプですが、カバーに取り付けたいので、2回路100kΩAカーブのパネル取付けタイプに変更します。

それと、忘れちゃいけないのが、100Vラインにはヒューズが必要です。0.2Aくらいでじゅうぶんなはずですが、入手性の良い0.5Aのヒューズを入れます。

部品のレイアウトを決める

適当なサイズに切ったワンバイフォーの木端に部品を置いて、レイアウトを決めます。

現物合わせでカバーを作るので、配置が決まったら、そのままねじ止めしてしまいます。

途中の写真を撮り損ねました。配線後の写真ですが、こんな配置。

アルミ板の加工

現物から寸法をとって、1mm厚のアルミ板をカットしていきます。ドリルとニブリングツールで、ザクザクやります。

このニブリングツールなる工具、金属ケースを加工するなら必携といえる神工具で、1mm厚のアルミ板を、まるで厚紙を切るように簡単に加工できます。

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あとは、クランプで作業台の縁に固定して、板を当てながら折り曲げれば、カバーの形は完成です。幅があるので曲げるのは結構大変でした。

ついでに、スポンジやすりで磨いて、ヘアライン風に仕上げ、腐食を防ぐために艶消しのクリアラッカーを吹いておきました。

組み立てて動作確認

ここで一旦仮組みして、動作確認のために音出しをしておきます。

ボリュームのつまみは、アルミ削り出しのちょっと良いやつを使いました。

電源を入れ、音楽をかけてみると...

あれ、左チャンネルの音が出ない? と思ったら、ボリュームの端子がカバーの裏に触れて、短絡していました。危ない危ない! 慌ててカバーにダクトテープを貼って養生しました。

電源まわりじゃなくてよかった...!

サイドパネルを取り付ける

木製のサイドパネルが付いた音響機器って、なんだか高級そうですよね。雰囲気は大事ですから、このアンプにもサイドパネルを付けてやりましょう。

5mm厚のブナ材を、これまた現物合わせで切り出します。

濃いめの色のウッドステインで塗装して、クリアラッカーを軽く吹いてツヤを出し、両サイドにねじ止めします。

お、なかなか立派では?

チラ見えする電解コンデンサをカッコいいのに交換

ひとつ背の高い電解コンデンサが、ケースからチラ見えしていますが、このコンデンサ、少し安っぽくていけません。

ヒーター電源の整流平滑回路用のコンデンサなので、音質には全然関係なさそうですが、見た目に投資ということで、ニチコンのオーディオ用ハイグレード品、「Fine Gold」に交換することにしました。

交換元と同じ25V耐圧の2200μFというのが、取り扱いがなかなか見つからなくて、秋葉原のマルツでようやく見つけました。

通常品なら1個50円くらいで買えるところ、230円もする高級品です。

同容量でも倍ぐらいのサイズです。金ピカなボディと筆記体のロゴが、いかにもすごそうな感じで、これは強力なプラセボ効果が期待できそうです。

ゴム足でディティールアップ

高級な機器には足が付いているものです。ゴム足を付けて、高級っぽさを出していきましょう。

ちょっと大きいかな? ぐらいのものを選ぶと、重厚感のある感じになって良いと思います。

タテマエ的には、「振動によるノイズを抑える」ためです。

ネオンランプでパイロットランプ

たぶんヒューズ切れと真空管切れの見分けがつかないので、ヒューズの直後に、通電表示用のネオンランプを取り付けます。 ちょっと暗いほうが雰囲気が出そうなので、1MΩの抵抗を挟んでみました。

ケースに穴をあけ、ランプの頭を出してやれば完成です。電源を入れてみると、真空管と同じ色に光ってとても良い!

完成!

なかなかの見栄えになったんじゃないかと思います。近くで見ると、仕上げがところどころ雑ですが。

正面は、ボリューム1つだけの、シンプルな構成です。

裏面にはIN/OUT端子と電源、裏側なので、見ての通り施工はやや手抜き気味。

まとめ

ところで、このアンプ、音の方はどうだったかというと、うーん、ちょっと雰囲気変わったかな? どうかな? という感じ。

それよりも、”視覚的な音質の向上”が素晴らしいです。真空管に灯るのあのオレンジ色の明かりを眺めているだけで、そこから飛び出した電子がスピーカーを通じて鳴らす音楽は、なんとも温かみのあるサウンドに聞こえてきます。

音の良さというのは感覚的な物差しなので、プラセボ効果や感情バイアスでも「あ、良い音!」と思えたら、それはそれで良い音ってことですよね。

あれ、そういえば電源スイッチ付け忘れた...ま、いっか。