最近流行り(?)の100均300円マウスを分解してみたので、メモを兼ねてその話を書いておきます。
開封直後にパッケージと一緒にガワも捨ててしまったので、残念ながらマウスだった頃の写真はありません。
「ダイソー ワイヤレスマウス」などと画像検索するとたくさん見つかると思います。
回路図
というわけで、まずは回路図をおこしてみました、シンプルですね。
左上が光学センサー、左下がLEDと電源、右半分がコントローラーとスイッチ類です。
部品表
そして、電子部品を取り外したものがこちらです。
古きよきベークライト片面基板なので、ハンダ吸い取り線*1を使って簡単にバラせました。
部品の内訳は以下の通り。
A.マイクロスイッチ×2個
左右クリック用のマイクロスイッチです。
型番が書かれていないので詳細はわかりませんが、一般的なマウスに使われているタイプのカチカチ音が鳴るスイッチです。
B.タクトスイッチ(低)
CPI (分解能)変更ボタンに使われていました、普通のタクトスイッチ。
C.タクトスイッチ(高)
ミドルクリック(ホイールを押し込むやつ)に使われていました、背の高い普通のタクトスイッチ。
D.スライドスイッチ(2回路2接点)
電源用のスイッチです、1回路スイッチとして使われていました。他の製品にも使うのを流用してコストダウンしたのかな?
E.光学センサー
書かれている型番で検索してもそれらしいものは見つかりませんでしたが、めちゃくちゃ詳しく解析している方がいました、勉強になります。
どうやらAVAGOテクノロジーのADNS-2610というのが近い仕様のようで、データシートはこれです。
F.電解コンデンサ 100μF×2個
ひとつは光学センサーの基準電圧の平滑用?もう片方は電源用のローパスフィルタかな?
光学センサーにつなぐ方は、シルク(基盤上の白いプリント文字、取り付け部品の仕様とかが書いてある)には47μFと書いてあるけど、大きい方に合わせたようです。
たぶんこれ付けなきゃさすがに動かないよっていう最低限の部品なんだと思います。
G.コントローラ&2.4GHz無線モジュール
ワイヤレスマウス用のモジュールのようです。
5ボタンマウス用のようですが、ダイソーマウスだとスイッチが2つ省かれています。
逆に言えば、スイッチ2つ付けるだけで5ボタンマウスに昇格することができます。
おトク!
H.ロータリーエンコーダ
一般的なマウスホイールに使われている赤軸エンコーダです。
マウス用のエンコーダにはこの他に黄軸、青軸、黒軸なんかがあって、それぞれ回し心地が違うそうです、これはこれで沼みを感じますね。
あと、「ホイールが擦れる感じがする」という口コミをよく見かけますが、エンコーダのクオリティは悪くなかったので、ホイールと軸受けの擦れのようです。
普通にマウスとして使う人は、軸受部分にグリースを塗れば使い心地が良くなるんじゃないでしょうか。
I.光学センサー用レンズ
ADNS-2610の仕様を参考にすると、底面と床の距離が2.4mm±0.1mmになるように取り付ける必要があるようです。
J.赤色LED
高輝度LEDのようです、ためしに超高輝度LEDに交換してみたら操作感度が少し向上したような気がしました。
K.抵抗
LED用の電流制限抵抗、普通の1/8wの抵抗です。 シルクでは56Ωと書いてありますが、カラーコードが黄紫黒金なので47Ωですね。
本当はLEDを取り替えるなら抵抗値も確認したほうが良いですが、電源が乾電池だし、見た感じパルスで光らせてるみたいだし、そもそも書いてあるのと違うし、あんまり気にしなくて大丈夫だと思います。
L.電源用のコネクタ
電源は、筐体と一体成型の電池ボックスからコネクタ接続になっていました。 PHコネクタ?
まとめ
この中身で定価が300円ってすごいですね!
外した部品を何に使うかって話は、また近いうちに書こうと思います。
*1:細い銅線を編んだもので、使うときは吸い取りたいハンダ部に乗っけて、クイックルワイパー的な要領でコテを当てながらキュキュっとやってハンダを吸わせます。