格安中華BTLアンプで疑似サラウンドを楽しむ話―LP-2024A+で3chスピーカーマトリクス―

この記事には、オーディオ機器をリスクにさらす内容が含まれています。 書かれていることを試す場合は、うっかり大切な機材を壊してしまわないように、じゅうぶん気をつけてください。

さて、僕の家では値段の割によく鳴る中華アンプに、スピーカーを3個つないで疑似3chサラウンド環境を作っています。

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音響&映像の構成図、右下の丸いのがスピーカー

これが、お手軽なわりになかなか臨場感があって、映画観るときなんかとても良い感じなんですが、メンテナンスの時に毎回繋ぎ方を忘れて迷うので、ここでメモを兼ねて紹介しようと思います。

※アンプの仕様で意図されていない接続をするので、試す場合は自己責任でお願いします。

スピーカーは抵抗値(Ω数)が小さくなると、電流が流れやすくなるので、アンプへの負荷が大きくなります。 電流が定格を超えると、最悪アンプが頑張りすぎて燃えてしまいます。

LP-2024A+の推奨負荷が4~8Ωなのに対して、R_0=\frac{1}{\frac{1}{8[\Omega]}+\frac{1}{8[\Omega]}}=4[\Omega]なので、8Ωのスピーカーを使えば、3つ以上並列に繋がなければ大丈夫そうですね。

リスクを理解した上で接続方法だけ知りたい人(主に繋ぎ方を忘れたときの僕)は、「接続図」まで読み飛ばしてください。

安旨な中華アンプ「LEPY LP-2024A+」について

本題に入る前に、家で使ってるアンプを紹介しておきます。 知る人ぞ知る、安くてよく鳴る「LEPY LP-2024A+」というアンプです。

3,000円ほどで買えて、パワーがあって音も良く、今回のように好奇心主導でいい加減なオーディオシステムを組むのにもぴったりです。

電源表示の青色LEDがうるさかったので、電球色LEDに換装して、暗めにぼんやり光るようにしています。

BTLについての説明は割愛しますが、低コストで高出力なアンプを作ることができる仕組みです。→ BTLってなんだ?!

今回のようなトリッキーな使い方をする場合は、少し接続に気を遣わないと、うっかりショートさせてしまう可能性があるので気をつけて。

3chサラウンドについて

サラウンドっていうのは、ざっくり言うと、ステレオよりたくさんのスピーカーを使って、いろいろな方向からの音を再生して、臨場感を出す技術のことです。

ja.wikipedia.org

3chサラウンドの場合は、LRの間にセンタースピーカーを追加して、3つのスピーカーで鳴らします。

スピーカー1個追加するだけでそんな変わるの?って思いますが、結構激的な効果があって、センタースピーカーが左右の間を埋めてくれるので、音が面で聴こえてくるような感じになります。

マトリクス接続について

さて、普通にサラウンド環境を作ろうとすると、多チャンネル再生のできるAVアンプを用意することになります。

今回は普通のステレオアンプを使って、擬似的にサラウンド感を出すことができる「スピーカーマトリクス」という方法を使います。

調べてみると、BLTアンプでも使えるマトリクス接続がいくつかあるようで、その中でも有力っぽいこの2種類を試してみることにしました。

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素直にLRにCを追加した感じですが、どうやらインピーダンスのバランスが取れていなくて、アンプに負荷がかかるらしい

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こっちはインピーダンスのバランスが取れてる結線らしい

いろいろ考えるよりも聴きくらべてみたほうが早そうなので、こんなターミナルを用意して実験してみました。

ケーブルがごちゃごちゃするので、配置をミスっていないかのチェックに、サラウンドのテスト用動画が便利でした。

www.youtube.com

トリッキーな繋ぎ方をするので、位相のチェックも忘れずに。

www.youtube.com

いろいろ試した結果、の方が好みの音だったので、この結線を採用して、アンプには頑張ってもらうことにしました。

接続図

そういうわけで、これが採用した接続図です。

8Ωのスピーカーを3つ用意して、図の通り繋ぐだけでOKです。

ちなみに、この接続ですでに1年半ほど使っていますが、いまのところまったく問題なくバッチリ鳴ってくれています。

まとめ

ただ安くサラウンド環境を作りたい場合は、中古のサラウンドシステムを買ったほうが早いと思いますが、結線だけでステレオ音からサラウンドを作れるっていうのは、なかなか面白い体験でした。

さらに2個スピーカーを追加すれば、疑似5chにすることもできるようです。

そうすると3並列になるとこが出てきますが、R_0=\frac{1}{\frac{1}{12[\Omega]}+\frac{1}{12[\Omega]}+\frac{1}{12[\Omega]}}=4[\Omega]なので、セメント抵抗でも合成して、それぞれ12Ωにすれば大丈夫なのかな?

そのうち試してみようと思います。