電子ピアノのサスティンペダルの極性反転器を作る話—YAMAHAのペダルをCASIOのピアノで使いたい

タイトルの意味がわかる方は、一度その罠にハマった経験のある方とお見受けします。

電子ピアノのサステインペダル(ダンパーペダルとも)には、「ノーマルオープン」と「ノーマルクローズ」という2種類の極性があって、メーカーによって、どちらを採用しているかはまちまちです。

ピアノ側、ペダル側とも、極性切り替え機能がある製品もありますが、そうでない場合、対応していない極性のものを繋ぐと動作が逆(ペダルを離すと音が伸びるる)になってしまいます。

今日は、そんな時に役に立つ、スイッチの極性反転回路をご紹介します。

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製作依頼について
この記事でつくった変換ケーブル、製作依頼もお受けできます。 受注生産でちょっと割高にはなりますが、一本6,500円(送料込み)です。ご依頼はTwitter:@aaa_tuにDM、またはメール:tinju.grenアットマークgmail.comまでご連絡ください。 f:id:at_you_key:20210615013934j:plain

YAMAHAのペダルをCASIOのピアノに使いたい

さて、年末にCASIOの「PX-S1000」という電子ピアノを買いました。

コスパとコンパクトさに強いCASIOのラインナップの中でも、特にその特徴が際立つ機種です。

このピアノには、「SP-3」というサステインペダルが付属しているんですが、筐体が樹脂製で軽いため、踏む時にぴょこぴょこ動いてしまい少し使いづらいです。

※CASIOのが安物というわけではなく、中身のつくりはかなりしっかりしていました。

一方、いままで使っていたYAMAHAのペダル「FC-5」は、金属筐体でほどほどの重みがあり、安定感があって使いやすいので、できればこちらを使いたい。

重さを計ってみると、3倍くらい違います。ああ、どうりで。

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スイッチの極性が違った

ここで、例の極性問題が出てくるわけです。 YAMAHAのペダルはノーマルクローズ(B接点)なのに対し、CASIOの電子ピアノはノーマルオープン(A接点)にしか対応していませんでした。

ここで思いつく選択肢は3つです。

  1. ペダルを買い替える
  2. スイッチを機械的に改造する
  3. 電子的に極性を反転する

1は面白くないので除外。

2は製品寿命を縮めるリスクがあるのと、技術的に汎用性がないので除外。

となると、残る3の「電子的に極性を反転する」で行きたいところです。

ピアノとペダルは無改造で済ませたいので、この間に挟めて、A接点とB接点を入れ替えられる回路はあるかな?

回路図

「スイッチ 反転 回路」で検索すると、すぐにドンピシャなのが見つかりました。

radioshack.my.coocan.jp

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これ最高なのが、スイッチ端子に掛かっている電圧を電源として利用するので、実質無電源で使えます。これこそまさに求めていたもの!

ピアノ側の端子電圧を計ってみると、約3.3Vだったので、この回路そのまま繋いでしまって大丈夫そうです。

ちなみに、端子は6.3mmの標準フォーンプラグです。

材料

  • フォーンプラグ
  • フォーンジャック
  • 2SA1162(1015代用のPNP型)
  • 2SC2717(1815代用のNPN型)
  • 抵抗1MΩ
  • 配線材10cmくらい(2芯あればなんでもOK)

シンプルな回路なので、表面実装部品を使って、フォーンプラグのカバーの中に収まるように作ります。

ちょっと話がずれますが、最近電子部品のストックを、表面実装タイプに移行してみました。安くて省スペースでかなり良いです。

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この記事を参考に、安いプラ試験管をまとめ買いして整理に使っています、大変おすすめです。

inajob.github.io

「遠沈管」というらしいです。

パーツ配置図

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図が汚くてすみません、左が2SA1162(刻印はSG)、右が2SC2717(刻印はLG)です。

組み立てる

あとは、配置図通りにハンダ付けしていくだけ。

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こんなもんでしょうか。今回は壊やすい要素がないので気楽です。

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フォーンプラグに組み込みます。 配線には、手持ちでちょうど良さそうな太さだったマイクコードを使いました。

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念のためカプトンテープで絶縁

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完成

そうして出来上がってものがこちら!

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カバーにうまく収めることができたので、短い延長ケーブルのような姿になりました。このケーブルをピアノとペダルの間に挟むだけで、スイッチ極性を反転させることができます。

これは良いものができた!

今回はノーマルクローズ→ノーマルオープンの用途ですが、もちろん逆の場合にも使えます。