エルゴノミックでサイバーパンクな自作キーボード"Dactyl Manuform Skeleton Edition 4x5 "を作った話—ビルドガイド—

*If you need english version, please use translate service something like DeepL.

Dactyl Manuformのカスタムモデル、"Dactyl Manuform Skeleton Edition"のビルドガイドです。

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設計をはじめてから半年、ようやく!ビルドガイドを書くに至りました!

このデザインを作った経緯は、前の記事にまとめてあるので、こちらも併せてご覧ください👇

www.creativity-ape.com

もっと細かい試行錯誤の話は、Twitterのスレッドにまとめています👇

twitter.com

当初はコストダウンが目的だったはずなんですが、途中からはカッコ良さを高める方に興味が向いて、コストダウンそっちのけになった感があります。

しかしその結果、最高にサイバーパンクなキーボードが完成したので満足です。

GitHubリポジトリ

必要なファイルはここにまとめてあります。

github.com

Thingsディレクトリにプリント用のSTLファイルが入っています。SourceディレクトリにClojureとOpenSCADのソースが入ってますが、参照関係がかなりこんがらがっているので、もし使う場合は気をつけてください。

道具

  • はんだごて
  • ワイヤーストリッパー
  • ニッパー
  • JST-XH用圧着工具
  • 4mmのドリル
  • テスター

その他、必要に応じて用意してください。

パーツリスト

購入品

※数量は両手ぶんです

品名 数量 入手先
キースイッチ(MXタイプ) 46個 遊舎工房
キーキャップ 46個 遊舎工房
ダイオード 1N4001 46個 Aliexpress
インサートナットM3 x 4mm 8個 Aliexpress
アルミロッドM4 x 30mm 10本 Aliexpress
アルミロッドM4 x 50mm 4本 Aliespress
ねじ(小頭)M4 x 15mm dk=6mm 14本 楽天市場
ねじ(低頭)M3 x 6mm 8本 楽天市場
Arduino Pro Micro 2個 Aliexpress
JST-XHコネクター5p 2セット(ポスト・ハウジング・コンタクトピン) Aliexpress
真鍮線 φ0.7 適量 東急ハンズ
AWG26 電線 適量 Aliexpress
熱収縮チューブ φ2 適量 Aliexpress
熱収縮チューブ φ5 適量 Aliexpress
マイクケーブルなど、やわらかいケーブル(3芯以上 ) 1mくらい 電材屋さん、千石電商など
編組スリーブ 1mくらい Aliexpress
結束バンド(Skylockなど)2mm幅 適量 東急ハンズ
ゴム足(スリーエムのがおすすめ) 10個 Aliexpress

3Dプリント/レーザーカット

GitHubのthingsディレクトリから、ファイル一式をダウンロードしてプリント/カットしてください。

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部品名 加工 備考
Bottom block 3Dプリント
Top block 3Dプリント
Index block 3Dプリント
Thumb block 3Dプリント
Pro Micro Bracket 3Dプリント 左右共通
Base plate レーザーカット(t = 4mm) 左右共通、ステンレスなど、重い素材がおススメです

キースイッチとキーキャップの選定

お好きなものを選んでください。

僕は微力ながら国内自作キーボードコミュニティにも還元したかったので、遊舎工房で購入しました。

スイッチは、迷わずいつものGateron赤軸

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そしてキーキャップは、DSAの"漆黒"です。

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実体配線図

けっこう複雑な配線になるので、配線ミスを減らすために実体配線図を書きました。

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線の上の数字は配線長(mm)です。

※両手ぶんです

長さ 数量
40mm 8本
110mm 6本
120mm 8本
140mm 2本
150mm 2本
180mm 2本
200mm 2本
210mm 2本
240mm 2本

ダイオードの取り付け

自作キーボードには、一般的に1n4148が使われることが多いですが、今回は見た目が強そうな1N4001を使うことにしました。

左が1n4148、右が1N4001

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足を2mmくらいのところで曲げて

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アノード側を短く切って

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スイッチにハンダ付けします、向きは写真を参考にしてください。

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※向きはよく確認しましょう、僕は一箇所ミスをして、完成してから付け直しました。とはいえ、内臓剥き出しなので、後からの修正が簡単なのもこのデザインのメリットです。

ブロック内は真鍮線で配線

ブロック内の配線にはφ0.7の真鍮線を使います。 縦横が接触しないようにうまく取り回しながらハンダ付けします。

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ブロック間・コントローラーの配線

ブロック間とコントローラーの配線は、AWG26の電線で繋いでいきます。

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ワイヤーストリッパーを持っていないと、この作業はかなりの苦行になります。

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僕はこのワイヤーストリッパーを使っています。

配線図をよく確認しながら配線する必要があります。

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短く切った収縮チューブを端に通すと、サイファイっぽさを高めることができます。

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配線を束ねる

要所要所を結束バンドで束ねます。

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束ねる場所は写真を参考にしてみてください。

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組み立ててから微調整したいので、この時点ではまだ締め上げず、多少遊びがあるくらいにしておきましょう。

JST-XHコネクターを取り付ける

このデザインには、いくつかの特徴的な部分があります。そのひとつが、コントローラーとキーマトリックスの接続にJST-XHコネクターを採用した点です。

配線の被覆を剥いて、コンタクトピンを圧着します。

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僕はISWISSの圧着工具を使ってますが、安い割にしっかりしているので、けっこうおススメです。

向きと順番に注意しながら、ハウジングに差し込みます。配線図と写真を参考にしてください。

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向きを揃えるときは、ピンヘッダーなどに並べて挿しておくと作業しやすいです。

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また、僕のように配線を単色で揃えた場合は、導通先をテスターで確認しながら作業を進める必要があります。

ボトムブロックとPro Microブラケットにインサートナットを圧入する

インサートナットを入れる箇所には、位置決め用に一回り小さい穴を開けてあります。まずは4mmのドリルで穴を広げてください。

ナットをまっすぐ圧入するには、ハンダゴテで2/3くらい押し込んでから、熱いうちに平な所へ押し当てて冷ますと、うまく垂直に入ってくれます。

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Pro Microブラケットも同様に

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メインの構造を組み立てる

やっぱりここがいちばん楽しい工程です。

アルミシャフトとM4小頭ネジで、それぞれの部品を組み上げます。

はまるところにはめていけばOKです。

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ここまでくれば、もう90%は完成という感じ、いったん記念撮影して気持ちを高めます。

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ここで配線の遊びを微調整して、結束バンドを締めておきます。

コントローラーの取り付けと動作確認

Pro MicroにXHのポストをハンダ付けします。

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向きをよく確認しながらHXコネクターを接続したら、いちどファームウェアを書き込んで、動作確認しておきましょう。

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QMK Toolboxを使うのが簡単です、書き込むファームウェアはhandwired/dactyl_manuform/4x5を選べばオッケーです。

github.com

ベースプレートを取り付ける

動作確認ができたら、ベースプレートもねじ止めしてしまって大丈夫です。

ついでにゴム足も貼りつけておきましょう。

左右の接続

この部分は設計するうえでかなり悩みました。

よくあるRJ9やTRRS端子なんかも検討したんですが、そういえばDactyl Manuformを使っていて、一度もケーブル外したことないなと思い、固定接続に決めました。

配線材はなんでも良いです、今回はほどよい太さのマイクケーブルに、かっこいい網組スリーブをかぶせて使います。

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端末を収縮チューブで処理して

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あらかじめPro Microを取り付けておいたブラケットに結束バンドで固定し、芯線をハンダ付けします。

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赤と黒が電源、緑が信号、白は予備(LEDとか付けたくなったとき用)です。

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写真のようにシャフトを挟むようにM3ビスを締め、コネクターを接続します。

完成!

そして完成した"Dactyl Manuform Skeleton Edition 4x5"です!

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見た目のバランス優先で選んだM4シャフトのおかげで、強度的にはだいぶオーバースペックで、抜群の剛性です。

さらに、キーマトリックスを分割構造にしたことにより、筺体の共鳴がほぼ無いことが相まって、図らずも、驚くほど静音性の高いキーボードになりました。

twitter.com

キーマップについて

キーマップの変更方法は、この方法が簡単です。

遊舎工房:キーマップを変更したい(QMK Configurator利用)

QMK Configuratorで書き出したキーマップはUS配列相当になるので、日本語版Windowsで使いたい場合の対症療法的な解決策はこちら。

www.creativity-ape.com

ついでに僕が使っているキーマップを紹介します。

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こだわりポイントは

  • "P"の下を";"から"-"に変更
    • 日本語の文章では";"より"ー"のほうが頻出ですよね?頻出キーはホームポジションで打ちたいからこの配置です。
  • 左右親指でTab、Space、Control/Backspace、Enter
    • これらのキーも日本語の文章で使いまくりますよね、か弱い小指じゃなく、屈強な親指に任せます。
  • かな/英数切り替えは親指+左右人差し指で切換え(Mac方式)
    • IMEの状態はノールックで切り替えたい派です、ホームポジションで切り替えられます。
  • 数字キーはLayer1でテンキー配列
    • テンキー配列に慣れているので、Excelとかで使いやすいです。

残件リスト

  • Pro Midroブラケットは改良の余地あり
  • ジョイスティックは引き続き開発