超強力なオープンソース3DCGソフト「Blender」を動画編集ソフトとして使い倒したい話—Video Editingワークスペース入門の次の1歩—

はじめに

普段どんな動画編集ソフトを使っていますか?

Final cutとかPremie Proとか使ってるよって人は対象外です、この記事が刺さるのはきっとこんな人。

  • ちょっと凝った動画編集(カット編集とか、テロップ入れたりとか、合成とか)したい
  • けど、Adobeのサブスク契約する予算がない
  • ムービーメーカー難民、iMovieがWindowsでも使えたらいいのに…
  • MacでもWindowsでもLinuxでも使いたい

さて、Blenderといえばいま最もアツい3DCGソフトですが、じつは3DCG以外の機能も超アツいのです。

Blender(ブレンダー)はオープンソースの統合型3DCG製作、2Dアニメーション製作、VFX向けデジタル合成、動画編集ソフトウェアである。(Wikipediaより)

前回は、検査・研究用途などで活用できそうな使い方を紹介しました。

www.creativity-ape.com

今回は、Blenderを動画編集ソフトとして使い倒してやろうっていう話です。

Blenderで動画編集するメリットって?

  • 無料!
  • メーカーの一存で消滅しない
  • 有償ソフトに引けをとらない使いやすさ・高機能さ
  • 3Dのシーンも扱える
  • 容量も動きもけっこう軽い
  • OSSで開発・更新も活発、今後の伸び代に期待できる
  • マルチプラットフォーム
  • ユーザーが多い ≒ ネット上に情報が(すごく)多い

入門編はYouTubeにお任せ

既に良いチュートリアルがある部分を焼き直しても仕方ないので、積極的に説明をサボっていきます。

Blenderの大きな魅力のひとつが、圧倒的裾野の広さから来るユーザーコミュニティの強さで、大抵のやりたいことは、少し検索すればだいたいチュートリアルが見つかります。

これは英語の動画ですが、基本操作を実演してくれているので、流し見るだけでもひととおりの操作方法がわかると思います。

docs.blender.org

この記事では、入門の次くらいに使えるようになりたい機能をご紹介します。

おすすめの初期設定

初期設定というほどではないですが、ちょっと作業しやすくする始まりの儀式です。

余計なメニューを閉じる

なるべく画面を広く使いたいので、あまり使わないメニューは非表示にしておくのがおすすめです。

あまり使い勝手がよくない左上のファイルブラウザーと、Renderingタブに同じものがいる右上のプロパティは、それぞれ閉じてしまって大丈夫です。

閉じ方は、エリアの上端を右クリックして、「エリアを閉じる」

ツールバーを表示する

ショートカットキーをマスターするまでは、ツールバーを出しておくのがおすすめです。

プレビューエリア左上の「>」をクリック、もしくは、ショートカットキー「T」で表示できます。

とくに、上から6番目の「トランスフォーム」ツールが、移動・回転・スケール全部入りで便利です。

入門の次に使いこなしたい機能

上の動画でムービーストリップの追加・カット編集・書き出しあたりはバッチリだと思うので、その次の一歩です。

色・明るさを調整したい:モディファイアー

調整したいストリップを選択して、タイムライン右部「モディファイアー」タブの「モディファイアー追加」で、各種調整を追加することができます。

おすすめは、最低限画を整えるなら「輝度とコントラスト」、微調整したいなら「カーブ」、さらに余力があれば他のモディファイアーを追加していくと良いと思います。

この機能を本当に使いこなしたいなら、「カラーコレクション」「カラーグレーディング」あたりを検索キーワードにすると良いでしょう。

トランジション入れたい:追加→トランジション

切り替え効果を入れたい長さぶんストリップを重ね、シフトを押しながら先→後の順にストリップを選択して右クリック、「トランジション」から好きな効果を選んで適用

ストリップの重なりぶんが、そのままトランジション時間になります。

スピードを変更したい :追加→エフェクトストリップ→スピードコントロール

変更したいストリップを選択して、追加→エフェクトストリップ→スピードコントロール

「ストリップ」タブの「エフェクトストリップ」で、コントロール方法を選ぶことができます。

よく使うのはストレッチと乗算

  • ストレッチ:ストリップの長さを変えると、その長さに合わせて速度がストレッチします。直感的に調整できます。
  • 乗算:倍数の数値でスピードを指定できます、たとえば30と入やれば30倍速になります。

ストリップをグループ化:メタストリップ

複数のストリップをまとめて、ひとつのストリップのように扱うこともできます。

グループ化したいストリップを選択して

Ctrl+Gとやると、ひとつにまとまります。

グループ解除はAlt+Gです

Blenderを3DCAD化するアドオンもアツい

標準機能だけでも無限の可能性を感じるBlenderですが、かなり自由度の高いPythonAPIが生えているので、イケてるアドオンが多数リリースされています。

なかでもいま注目度急上昇中なのが、Blenderを3DCAD化するアドオン、その名も「CAD Sketcher」です。

フリーの3DCGソフトでCAD的なモデリングができるなんて、これは衝撃的です。しかもこのアドオンもオープンソース&フリー(開発支援の寄付も可)。

拘束&フィーチャーベースのモデリングなので、Fusion360やInventor、Solidworks使いの人は難なく使えると思います。

現状β版で、バージョン1.0リリースに向けて開発が進んでいるところで、日々すごい勢いでアップデートされているので、要チェックです。