最近エルゴノミックなキーボード「Dactyl Manuform 4×5」を組み立てたので、そのなかで得た知見をここに紹介します。
全体的な組み立ての流れは公式の説明があるので、ここでは僕が苦労した所や工夫したところを書こうと思います。 これから組み立てる人の参考になるといいいな。
買ったもの
キースイッチ
Gateronの赤軸を買いました。
65個で約2千円、そのうちDactyl Manuform 4x5に必要なのは46個です。
キーキャップ
Carbonかっこいいじゃん!千円台なんて安いじゃん!と思ってポチったら
どうやらOEMプロファイルという、行ごとに傾斜が違うのを注文してしまいました。
そもそもDactyl Manuformはケース側に傾斜が付いているので、キーの傾斜がめっちゃ邪魔です。
試行錯誤してなんとか使える配置にしましたが、3DキーボードにつけるのはSAとかDSAというプロファイルのキーキャップが良いようなので、後からDSAのキーキャップも注文しました。
間違えて買った方も、もったいないからもう一枚キーボードを作ろうかn...あ、これが沼か...。
静音リング
職場で使うつもりなので静音性は大事です。キーキャップに取り付けてクッションにするシリコンのリングを買いました。
劇的に静か!という程ではないけれど会社支給のキーボードと同等くらいのタッチ音になったのでじゅうぶんです。
Arduino Pro Micro
micro-B版を注文したはずが、業者のミスでmini-B版が届きました。
幸いケース内のスペースはあるのでそのままmini-B版で作ることにしました。
USB mini-Bケーブル
Arduinoから延長して、ケースのコネクタ穴に取り付けたUSB micro-Bコネクタに繋ぐためのケーブルです。
今の時代mini-Bケーブルってなかなか売ってないですね、micro-Bだったら100均でも買えるのに...
USB micro-Bコネクタ
Aliexpressで見つけたDIP化基板を買いました。
基板切り分け前の状態で届いたので、折り分けてからヤスリでバリを取ってあげるとぴったりサイズです。
ダイオード
リードタイプの小信号用ならなんでも良さそうです。一番有名っぽい1N4148を買いました。
AliExpress.com Product - Free shipping 100PCS do-35 1N4148 IN4148 High-speed switching diodes
ところで、秋葉原までの電車賃よりも中国からの取り寄せのほうが安いので、電子部品はもっぱらAliexpressで探しています。
モジュラーコード(電話の受話器のコード)
左右の通信用のコードです。
50cmの黒いのを買いました、丁度良い感じです。
モジュラーコネクタ
そのままだと突起があって穴に収まらないので、カッターで突起を切り落としました。 柔らかい樹脂だったのでサクッと落とせました。
M3インサートナット
裏蓋をとめる用のナットです、モノタロウで買える「SB-3006CD」 ってのがちょうど良かったです。半田ごてで温めながら圧入します。
M3×6mm皿ねじ
鍋ネジだと出っ張ってしまうので皿ネジが良いです。
ネジ穴をドリルの刃で面取りしおくと皿ネジがぴったりはまります。
紙やすり(空研ぎ用)
3Dプリントしたケースを磨くのに使いました、400番~1000番くらいまで磨いたと思います。
PLAで出力したので研磨はなかなか難儀ですが、表面がなめらかになると俄然愛着が湧いてきます。
仕上げにつや消しクリアのラッカースプレーでコーティングしました。
アクリサンデー 180×320×3mm アクリル板
ハンズで買いました、ちょうど裏蓋が2枚取れる大きさです。
HAKKO FX600(はんだごて)
これは2018年ベスト・オブ買って良かったツールです。
いままで学生時代から使っていた390℃固定のコテであらゆるハンダ付けを切り抜けていましたが、この調温式の使いやすさには本当に感激しました。
あと、電源入れてから15秒くらいで温まるので、必要な時にサッと使えて最高です。
しかもこれで3千円台って、おやすい!!
シリコンのゴム足
滑り止めのために底面に貼り付けます。
これつけるだけでタイピングのしやすさ全然違うので、ゴム足は必須です。
AliExpress.com Product - 100pcs/set Silicone Pad Self Adhesive Feet Bumpers Clear Semicircle Bumpers Door Cabinet Drawers Buffer Pads Tool Furniture
ビルドについての知見
ケースの3Dプリント
一般的には左右片方づつプリントするようですが、はやく組み立てたい気持ちが抑えられず、立たせて並べてみました。Flashforge Creator Pro でギリギリ造形範囲に収まるサイズです。
コネクタ穴が床に付く向きで配置するとオーバーハングが少なくなっていい感じでした。
ちなみにプリントには30時間くらいかかりました。
内側は多少荒れましたが許容できる程度でした。 あと、配線固定用の突起は無いほうが配線しやすかったのでニッパーで切り落としました。
キースイッチの固定はしっかりやるのが吉
スイッチを穴にはめてから、裏側からホットボンドで固めます。
固定が甘いと配線後にキーキャップを抜き差しする際スイッチが抜けて配線が千切れそうになりヒヤヒヤします(体験談)
配線後だと奥まったところの補修は至難なので、先にしっかり固定しておくのがおすすめです。
ダイオードの取り付け方
キーボードの手配線について調べたときに、どこかで見かけたやり方をまねしました。
アノード側(帯が無い方)のリードをくるっと曲げて
フックになるように切ります
スイッチの足に引っ掛けながらハンダ付けし、適当に曲げて隣とつないでいきます
不要なVGAケーブルから配線材をゲット
配線材って買うと意外と高いので、以前プロジェクターを買った時に付属してきたVGAケーブルを剥いて配線材にしました。
こういうケーブルを剥くとカラフルで使いやすい太さの配線がたくさん手に入るので重宝します。
USBコネクタの取り付け
USBコネクタ用の穴にmicro-b基板をぴったりはめるため、スペーサを3Dプリントしました。
もしかしたらそういう部品のデータがどっかに上がってるのかもしれませんが、探すのが面倒だったので自分でつくりました。
STLデータをThingiverseに上げておいたので、もし必要な人がいれば使ってください。
親指キーの順番が違う??
QMKファームウェアのドキュメントのとおりhandwired/dactyl_manuform:4x5:defaultをビルドして書き込んだところ、親指の4つのキーの順番がおかしいようです。
4x5.hのレイアウトの定義を下のように書き換えてやり直したらうまくいきました。
変更前
L44, L43, R41, R40, L42, L41, R43, R42
変更後
L43, L44, R40, R41, L41, L42, R42, R43
まとめ
なかなかの存在感なので、完成したときの達成感がすごいです。
早速職場で実戦投入してキーマップを模索中なので、その辺りのこともそのうち書いてみようと思います。
↓
書きました! at-you-key.hatenablog.com